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2004年07月26日

AERA 2004年8月2日号 サヨナラ恋愛競争社会

セカチュー世代の愛と性
サヨナラ恋愛競争社会

「彼女や彼氏がいなくてもいい」「恋愛が怖い」「同性といる方がラク」―――。
モテ至上主義の恋愛競争社会から下りたいと思っている若者たち。
セカチューに夢中になった世代の恋愛観が変わってきている。

埼玉県に住む会社員のヨシオさん(24)は今春、「2ちゃんねる」 で展開された 「純愛物語」 から目が離せなくなった。

主人公は22歳のアニメオタク青年、その名も 「電車男」。物語は 「彼女いない歴=年齢」 の彼がある日、電車内で、酔っぱらいに絡まれている女性客らを助けたところから始まる。

2日後に意外なことが。そのうちの一人の女性から手紙とエルメスのティーカップが届いたのだ。 「あなたの勇気にとても感動させられました」

これはもしかして、現実の女性と親しくなれるチャンスかも―――。期待に胸は熱くなるが、どうしていいかわからない。彼はふだんアクセスしている 「2ちゃん」 に事件の顛末を書き込んだ。

「今さっき、宅急便で若い女性からお礼の品と手紙が届いた。ダメだ。なんか顔熱くなってきた」

約束取り付けると歓声

煮え切らず、なかなか行動にふみきれない彼に対し、直ちに叱咤や激励が殺到した。

「もう一回、勇気を出す場面だな」
「ダメだ…。もう何が何だか…」
「電話だ。電話をしろ」
「女の人になんか電話かけられん。さっきから握ってるけど、無理。明日とかじゃダメ?」
「今、お前は男として試されてるんだよ。ここで引いてどうする!? 死ぬ気で電話しろ!」

模範的な会話例文を挙げる人も現れた。

結局3時間以上たって、彼はようやく電話。しかし、次のステップになって、また彼は 「2ちゃん」 に頼る。電話中に 「めし、どこかたのむ」 と書き込んだ。「まず待ち合わせ場所を決めろ。店は後でいい」 というアドバイスに従い、約束を取り付けたことを報告すると、一斉に 「よくやった」 と歓声があがった。

その後も、相手のメールの内容に一喜一憂する電車男。しかし最初のころが、ウソのように、だんだん積極的になっていく。もしかしたらまったく架空の話かもしれないのに、周囲も2人の行く末に一喜一憂、応援ムードは盛り上がった。

冒頭のヨシオさんは、毎日のように 「2ちゃん」 をチェック、電車男の報告や、他の人たちのやり取りに歓声を送り続けた。

「ぼくも女性経験がほとんどないんです。最初はどうせドジを踏んで、うまくいかないだろうと思ってました。でも、彼がアドバイスを必死に受け止めて、どんどん変わっていくのを見ているうちに、応援していました。自分も変われるのかもと思ったんですね」

「電車男」 物語は、ブログを中心に広まり、木村剛・KFi代表も、自分のブログに 「感動した。はまりこんでアポに遅れそうになった」 と書いた。このエピソードを、本にしようとしている新潮社の女性編集者は言う。

「今まで、オタクの男の子は全員、現実の女性に興味がなくて、自己中心的な恋愛観の持ち主だと、誤解していました。こんなにピュアで、女性に対して真剣な思いを持つ人もいるんですね」

電車男の話など恋愛によって男性が変わっていく話をまとめたサイトも出現。その男性管理人は、自分の殻に閉じこもり、恋愛から逃げてしまう男性を 「ダンゴムシ」 と表現する。彼自身、20代前半までダンゴムシで、女性とは縁がなかった。

サイトの掲示板には、
「もう少し前向きに生きよう、行動しようと思いました」
「片思いしてる人に対して、積極的に行動するようになった……かも。あと筋トレ始めました」

「前向き」 になったダンゴムシくんたちの書き込みが寄せられた。

2004年07月26日 00:00

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