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2004年10月18日

産経新聞 2004年10月18日 2ちゃんねる発 純愛物語が本に

インターネットの世界で伝説化しているラブストーリーがある。その名は「電車男」。ネット掲示板「2ちゃんねる」から生まれ、多くの人々の書き込みによってはぐくまれた純愛は、広く感動と共感を呼んだ。22日に新潮社から出版(1365円)されることも決まり、さらにファンを増やしそうだ。

≪手取り足取り≫

のちに電車男と名乗るようになるのは、「彼女いない歴22年」の22歳“おたく”青年。3月に電車内で泥酔した老人にからまれている女性を助け、その体験を「2ちゃんねる」に書き込んだ。

数日後、助けた女性の1人からお礼の手紙と、有名ブランド「エルメス」のティーカップが届く。電車男がそのことを再び報告すると、掲示板の読み書きをしている「住人」たちは一気に盛り上がり、「電話しろ」の大合唱。何人かは電話でのせりふまで考えてアドバイスした。

緊張しつつ「エルメスちゃん」(助けた女性の愛称)に電話する電車男。ヤキモキしながら待つ住人たちに、今まさに電話中と思われる電車男から「めしどこか たのむ」との書き込みが。「キター!」と喜ぶ人もいれば、返事の仕方を教える人も。こうして彼は食事の約束を取り付ける。

電車男はその後もネットの住人の協力で服や店を選び、デートに臨む。住人は電車男に励ましと恋の指南を続け、2人の関係は発展し始める−。

掲示板への書き込みは増え続け、独立したサイトに。ネット上で現在進行形で進む物語は5月に終わるが、話題が話題を呼んで出版が決定した。映像化や舞台化のオファーも殺到している。

≪紅茶まで人気≫

電車男がエルメスちゃん宅でふるまわれる英国の高級紅茶、ベノアティーまで人気が高まり、東京・銀座松坂屋の「ベノアティールーム」には若い男性客が押し寄せるようになった。不思議に思った店員が聞くと、「ネットで…」と電車男の話をする。たちまち売り上げは1・5倍に跳ね上がった。

新潮社の担当編集者は「これは新しい文学。現実にあった話ですが、物語として面白く、多数の人が参加して生まれた。ネットになじみが薄い人にも読んでほしくて出版を決めた」と話す。筆者名は中野独人とした。

文芸評論家の榎本正樹さんは「誹謗(ひぼう)中傷の氾濫(はんらん)など否定的側面が強調されがちな2ちゃんねるだが、電車男は端末の向こうにいる不特定多数の善意を信じ、読む方も信頼で応えた。相互的な関係で物語が作られていく過程に驚いたが、電車男はマインドコントロールされたとも読める。話題が善意に向かうか悪意に転ぶかは紙一重ではないか」と話す。

2004年10月18日 00:00

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