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2004年11月10日
asahi.com : MYTOWN : 徳島 2004年11月10日
[インターネット講座]
第274回 電車男
「電車男」という題名の本が書店で並び、気になった人もいるでしょう。東京の書店では、発売1週間で第2位のベストセラーになっています。書評は他紙面に譲るとして、この本の背景と話題性の意味について書くことにしましょう。
本の内容は、もてない22歳の青年が、電車の中で酔客から女性を救ったことから始まります。青年が、その女性に告白することをネットの掲示板に相談したことがきっかけとなって、多数の書き込み(投稿)がされます。デートの誘い方や話し方、服装まで助言します。さらには、その青年そっちのけで、恋愛論や女性の考えを推論する書き込みが連なるなど、青年の告白までの2カ月間を追います。
もとになったのは、「2ちゃんねる」というインターネットの掲示板です。独身男性が議論する「板(スレッド)」=テーマごとの掲示板のグループ=に実際に書き込まれた内容を編集して出版したものです。本を開くと、縦書きの小説風の活字構成ではなく、横書きのインターネット掲示板の様式に従っています。
この小説がベストセラーになった理由を、「冬のソナタ」に代表される純愛ブームに結びつけることが多いようですが、一番大きな要因は「新しい文化(カルチャー)」との結びつきであると考えられます。インターネットの掲示板の話題が出版に結びつくことは少なくありません。
ビジネス関係の書物や趣味関係の書籍では、インターネットを情報源にすることも多いようです。たとえば記憶に新しい「世界がもし100人の村だったら」という読み物もインターネットから生まれています。
しかし、それらはインターネットを情報源として用いただけであり、インターネットの文化を垣間見ることはできません。「電車男」は掲示板の雰囲気をそのまま掲載しています。「香具師(やし)」「マターリ」「萌(も)え」「きぼんぬ」など独特の用語を使い、また掲示板独特の言い回しを用いているのです。インターネットが一つの新しい社会として認められようとしている兆候ではないでしょうか。
80年に、現・長野県知事の田中康夫著作の「なんとなく、クリスタル」がベストセラーとなりました。当時の流行や文化を女子大生の生活を通して映し出した小説です。本文の半分程度が注釈と言う小説ですが、「電車男」も同じような一面を有しているように思えます。
四半世紀を経て「なんとなく、クリスタル」の時代は過去になりましたが、「電車男」の四半世紀後はどうでしょうか?
(徳島大工学部知能情報工学科教授)
http://mytown.asahi.com/tokushima/news02.asp?c=5&kiji=541
2004年11月10日 00:00
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