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2005年02月05日
産経新聞 2005年2月5日 ネット掲示板出版物 「電車男」二匹目のドジョウ狙い続々と新刊
匿名ならではの恥ずかしい告白、見知らぬ同士だから言える厳しい本音が、ドラマを生む…。インターネット掲示板の書き込みが、書籍になるケースが目だってきた。あまりにできすぎた“美談”ゆえ、真贋(がん)論争も起きているベストセラー「電車男」は、今年から3誌で漫画連載がスタート。来月には朗読劇が上演されるなど、「セカチュー」(世界の中心で、愛をさけぶ)の大ヒットに続く純愛もののメディアミックスに発展しそうな勢いだ。二匹目、三匹目のドジョウも電車男の後を追う。
この10日間に「今週、妻が浮気します」「実録鬼嫁日記」なと、ネットの書き込みを元にした新刊が相次いでいる。丸善丸の内本店(東京都千代田区)では「すでに認知度も高く出足はいい。ブログの普及でこのテの本が続々出そうな気配です」。
15刷52万5000部を突破し、検証のサイトや本が出版されるなど、今や神話的存在となっている「電車男」(新潮社)は、もてない独身男性が集まる「2ちゃんねる」の掲示板上での2カ月にわたるやりとりだ。オタク青年=電車男が、電車の中で酔っ払いにからまれていた美しい女性を助けたところ、彼女からお礼が届く。電車男は進展を願うが、女性への接し方が分からず掲示板に助けを求めた。掲示板の住人たちは、髪形、服装、店選びなど、細かなアドバイスを書き込み励まし、時に説教する。素直な電車男はみるみる成長を遂げ、ついに恋愛成就。電車男の報告に、掲示板にはアスキーアート(文字を組み合わせたネット独特の絵)の祝電が乱れ飛んだ…。
ネットの画面をそのまま再現した印刷は「出版にあたり最も苦労した点」と新潮社の担当編集者、郡司裕子さん(34)。不透明な著作権や版権の問題が、書籍化である程度整理されたことから、新潮社には映画など40件ものオファーが殺到した。
まずは今年に入り、小学館の「ヤングサンデー」、秋田書店の「ヤングチャンピオン」「チャンピオンレッド」で電車男が漫画になった。「読者アンケートでも早速上位にランクイン。ネット時代ならではの素材の面白さに加え、恋愛あり、友情あり、主人公の成長物語としての面白さが魅力」とヤングサンデー編集部。春には2つの女性誌でも漫画化が決定。3月12日からの朗読劇を主催するサンケイスポーツでは「2ちゃんねるの先行販売では2日間で300枚以上販売。チケットも残りわずか」。
そんな騒動を尻目に…「クリスマスには頑張って高いお店を予約しました。彼女のいる年末年始って忙しいものなんですね…」。電車男本人と3回会っているという郡司さんの元には、今も彼女との順調な交際を伝えるメールが届くという。
一方、「『電車男』を超える、大人の愛の物語」との帯を付け、先月25日に発売された「今週、妻が浮気します」は、「OKWebコミュニティ/教えて!goo」という相談サイトの2週間のやりとりを収録。発売1週間で3刷4万3000部と出足好調だ。「今週妻が浮気します。今はホテルに乗り込んで何かしらの決着をつけようと思っています。しかしそれは正しい方法でしょうか?」
共働き、2人の子持ちの夫から寄せられた切ない質問に、50人を超す男女から親身な助言や励ましが寄せられる。揺れる心情を赤裸々に明かす質問者。問題解決に向かって掲示板が連体し、物語性を帯びる過程は電車男と共通している。
「妻を思う夫の気持ち、回答者の温かさに胸を打たれた。ネット上でも無料で読めるが、線を引いたり付箋をつけたり、本としてじっくり読みたい需要はあると感じた」と中央公論新社の担当編集者、山本春秋さん(29)。出版の申し出に戸惑ったのは質問者本人だ。「自身が特定されたり、家族に知られることを心配されていた。一般人である掲示板の著者をどう守ってゆくかが課題」と山本さん。
「gooリサーチ」と共同で約500人に行った調査によると、「ネット掲示板で質問・相談をしたことがある人」は16%。「今後利用したい人」は19%で、その理由は「匿名で相談できる」80%、「本音で遠慮なく意見してくれそう」71%が主流だ。
身近な人でなく、カウンセラーでもない、第三の相談場所として台頭する掲示板。一つの悩みから、また新しいドラマが生まれる可能性は大いにありそう。
http://www.sankei.co.jp/news/050205/bun022.htm
2005年02月05日 07:38